メガネの小言。

レブルとシャツ屋の吉田くん。

2016.11.19 Saturday






アメリカでレブルが発表された。
バイク好きならご存知の
80年代にホンダから発売された
250ccアメリカンバイク レブルの
現代版的なバージョンで
500ccと300ccがラインナップする。












これは当時物のレブルスペシャルで
今見ると個性的でカッコ良い。


和訳で「反逆者、反抗者」らしい。
アメリカンバイクといえばハーレーを
代表とするV型2気筒エンジンが主流だが
あえての並列2気筒エンジンで勝負。

名前の由来かはわからない。
チャレンジ精神満々の
ホンダがカッコよかった時代のバイク。

燃費も素晴らしく
遠乗りだったらリッター40キロ位
走るらしい。








あの時代のホンダが帰ってきた。

LA ロングビーチでの
ワールドプレミアムプレゼンテーション。


ハーレーのお膝元での挑戦。



そのレブルの産みの親であり
プレゼンテーションまで企画した人物。



チーフデザイナーの三倉氏。






















熊本製作所のナイスガイだが
問題はそこでは無い。




ロングビーチで着ているシャツは

こともあろうかニシガワラで
納屋遊びを共にする阿蘇のシャツ屋
吉田くんの仕立てたシャツである。











まさかこんな場所で使われるなど知らず
事後報告だったらしい。
この生地の色に白いステッチは
精度を求められかなり神経を使うらしい。


しかし吉田くんは普段着だろうが
プレゼンテーションだろうが
手を抜く事はしない。
三倉氏もそれを求めていたに違いない。




吉田くんは兵庫県から熊本にやってきた。
阿蘇に店を構えて2年位だ。


「滝沢 竜二」という名の父親が居て
プロボクサーらしいが
昭和の強そうなリングネームだけで
いっさい闘ってないのに
飲むとパンチドランカーになる。



しかし吉田くん違う。


仕事に対しては職人である。
仕事と女性には情熱的である。





この夏フランスに
生地を買い付けに行った。



彼の相棒にアホ犬いやバカ犬いや
クレイジードックがいる。
可愛く無いのに
名前はバービー。












1週間ほどうちで預かることになった。
このアホ犬いやクレイジードックは
もともと捨て犬で殺処分前を
吉田くんが引き取ったらしく
ほんとに命の恩人と感じてるのがわかる。



預ける際もまた捨てられると思い
お別れの時の鳴き方が半端なかった…


丸2日は怯えて牙を向いていた。



うちにも愛犬ハクがいる。













比べものにならない。





毎日のさんぽは親父の楽しみ。

ハクと共にバービーも一緒。


犬好きの親父は怯えてる
バービーも愛情込めてさんぽした。

フランスにいる吉田くんは
ふびんなバービーが気になり
買い付けもそこそこに
飛んで帰りたいほど寂しかったらしい。




親父にバービーは捨て犬で
吉田くんに拾われた経緯を話すと
ふびんなバービーを我が犬の様に
可愛がり ハクがヤキモチ妬くほど
可愛がった。


捨て犬じゃ無いぞ。
もう直ぐ吉田くんは迎えに来るからな。







買い付けを終えフランスから
帰ってきた吉田くん。
寄りたいところも寄らず
真っ直ぐにバービーを迎えに来た。





「ただいま帰って来ました。」

「バービーお世話になりました」


涙目でバービーのところに向かう。



「バービー!」



感動的なシーンである。









ところが 当のバービーは
この人は誰?的な眼差し。





後ろから来た親父見つけると

途端に大喜び。
ちぎれんばかりのシッポの振りよう。




吉田くんの涙目は乾いていた…






「反逆者」…レブル…














そんな僕らは今日も仲良く
明るい阿蘇を語り合う。









おしまい。